ユキコ夫人と愛犬ミルの物語ー6ー 生い立ち

海岸線沿いの小さな町に生まれた幸子は 農家を営む11人兄弟の末っ子として生まれました。まわりは家畜やら鳥やらでまるで動物園です。ニワトリ、豚、犬、猫、クジャク伝書鳩、じゅうしまつ、極めつけはきゅうちゃんていう九官鳥、九ちゃんおはようって言うと オハヨ、バイバイ、人間そっくりの声で、極めつけはタバコを吸ってるお爺さんのごほん、ごほんていう咳のまねはビックリしたそうです。そんな中で育った幸子は静岡の美容学校を卒業して、東京の美容院で四年間厳しい修行をする事になります。毎年お盆とお正月には欠かさずこの小さなふるさとに帰って来ました。ある年 東京で飼っていたちっちゃな白いマルチーズを連れて来たとき、悲劇はおきました。実家で飼ってる犬は中型犬だがちょっと手を擦り抜けてマルチーズは犬に向かって一直線 じゃれあってるつもりだったと思っていたら、あのちっちゃな犬もひとたまりもありません 首ところを甘かじりした様にもみえましたが、さだかではありません ぐったりした子犬はそのままもう動きませんでした。幸子はその場で泣き崩れて暫く動きませんでした。